PC-Blues #15 増殖

ことのおこりは中古屋で2.5インチで6.4Gbyteのハードディスクと目があったことである。あの後、手持ちの486マシンは母にWeb&Mail専用マシンに改装して進呈してしまい、結局2万5千円のThinkPad560を買ってしまった私はさすがに1.08Gbyteのハードディスクが手狭になっていた。主な使用法はデスクトップマシンの遠隔操作であるからこれで問題ないのだが、単独で使用するさいにはやっぱりちょっと不足な1.08Gbyteなのである。だが6.4Gbyte、これぐらい大きければいろんなデータをおしこんでも少々のことでは一杯になるまい。手持ちの辞書を全部おしこんでも余裕たっぷりだろう。8000円はちょっと高いが、「8.4Gbyteの壁」も避けられるし、まあいいか、ふらふら、と買ってしまいました。

さて、さっそくThinkPad560を分解してハードディスクをとりかえて、パーティションも切って、DOSとLinuxをインストール。DOSを入れたのはBIOSの設定がDOS、Windows、OS/2のどれかからしか出来ないためだが、久しぶりに素のDOSを使ってみると結構不便に感じる。やっぱりツールをいろいろいれないと邪魔くさい。それでOS/2とブートマネージャもインストールすることにしてパーティションを切り直して、フロッピィで立ちあげなおしてインストール…。起動しない。ハードディスクはおろか、フロッピィからも起動しない。BIOSのイージーセットアップだけは起動するのでブート順をいじってみたりするけれど全然ダメ。フーッ。

ところが再び分解してハードディスクを元の1Gbyteに戻すとあっさり起動するではないの。なんとThinkPad560、ハードディスクのパーティションの切り方が悪いとフロッピィからも起動しなくなるようである。このままではせっかくの6.4Gbyteがパーである。しかし、パーティションを切り直すべくマシンにつなげばフロッピィブートすらしない。

しかたがないのでデスクトップマシンにつないでそっちからパーティションを切りなおすことにする。しかし、デスクトップマシンはそのままでは2.5インチのハードディスクは接続できない。現状でのIDEの接続は

なので、セカンダリスレーブにリムーバブルフレームをつないでやり、さらに3.5インチ→2.5インチ変換アダプタをフレームにとりつけ、ここにハードディスクを継ぐことにする。こうすれば、このさき取り外したハードディスクもリムーバブルディスクとして使用できる。

さて、こうしてパーティションは切り直され、全てのパーティションを取り払ってThinkPadに戻してやって目出たくフロッピィからブートし改めてパーティションを切って、DOS、OS/2、Linuxとインストールしてことなきを得たハズであったが…。

しばらく立つとデスクトップのプライマリマスターのハードディスクがエラーを出すようになった。CRCエラーである。データが化けるのである。アーカイブファイルがガンガン壊れてしまう。このハードディスクは97年末に買ったものでまだ4年目だがまあ逝くときは一週間でも逝くもんであるからいたしかたない。とりあえず、ローレベルのフォーマットでもしてバドブロックの検出で済めばそれでよし、それでもダメなら取り換えかと考えた。

ローレベルフォーマットはBIOSのメニューにある。BIOSはよくあるAWARDのやつである。で、ハードディスクを選ぼうとすると「SELECT DRIVE」と書いてある。おいおいカンベンしてくれ、「DRIVE」はあくまでハードディスクのパーティションのDOS-Windows系のOSでの呼び名じゃないか。自分で「primary master」とか書いてあるくせに一貫性のないやつめ。どれ、ほかの「drive」とやらを見てみると、C→D→E?→F→C。ほれみろ、 この順にprimary master slave secondary master slaveじゃないかあ。どれ、フォーマット。フォーマット。おや、bad blockはないのか。どうしたもんだろね。ふう、4.3Gbyteもあると時間喰うねえ。ああやっと出きた。とりあえずリブートしてブートマネージャのインストールから…。おや、ブートしちゃったよ、おかしいな。ゲロゲロ、サブシステムが立ちあがるじゃないか。フォーマットできてないよこれ…。ああ、メインシステムのほうが消えてるぅぅぅ。

仕方がないのでとりあえずメインシステムの復元にとりかかるが、ううむ五月雨式にインストールや設定したところがわかんないや、まあいいか。バックアップしてあったデータは大丈夫だったけど、バックアップし忘れてたのも結構ある。しょうがないなあ。ようやく復興がまあまあ出来たのでこんどはメインのハードディスクは取り外してから再度フォーマット…。やっぱりエラーがでるなあ。とりあえずサブシステムを書き戻して…。ゲゲ、こんどはサブシステムが立ちあがらない。このOS/2システムもパッチやドライバとか入れまくってチューニングもあれこれしまくってあったから復興はタイヘンだ。ともかくCRCエラーが直らない。これではインストールや、バックアップの度にファイルが壊れてしまう。しょうがないので新品ハードディスクを買うことにする。

中古なんかを買って、一週間でまたエラーとかすると嫌なので、今回は新品を買うことにする。そうなるとイマドキの新品だから20Gbyteか30Gbyteくらいになる。「8.4Gbyteの壁」はいたしかたない。BIOSをアップデートして、OSには対応ドライバをいれるしかあるまい。DOSはもうダメかもしれないがまあ滅多に使わないからいいか。とりあえず一万円ぐらいのやつ。

パーティションを切って、OS/2をインストールしてパッチを当てて、データをリストアして、ブートマネージャをいれかえて…。ようやく、復帰。ああ大出費であった。ふう。さて、この取り外した4.3Gbyteのハードディスクどうにもならないのかなあ。勿体ないなあ。リムーバブルフレームに入れて様子を見てみよう…。

boot: Linux ..............
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CRC error at /dev/hda
CRC error at /dev/hda
CRC error at /dev/hda
CRC error at /dev/hda

ゲゲ、何で /dev/hda (プライマリマスターハードディスク)なの????? とりあえず、リムーバブルフレームを引っこ抜いてリブート。

boot: Linux ..................
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crab login:_

エラーが出ない?数度の試行の末、原因はよくわからないがリムーバブルフレームを接続し、かつハードディスクのDMAをオンにした場合にのみプライマリマスターのハードディスクにだけエラーがおこる、と判明。4.3Gbyteのハードディスクには故障はなし。 ああ無駄使い。欲張ってリムーバブルフレームなんか使うから…。

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2001/06/06