ayya # 050 その後の日比野

  前回紹介した日比野さんであるが、どうやら釈放されたらしい。といって保釈なので裁判なんかに忙しいらしい。当初の目標であるパレスチナの住民へのイスラエル軍の暴力行使をジャマするほうはできんようだが、この裁判が国際的に報道されること自体はイスラエル政府のしたい放題の暴力に牽制をかけるという意味があるらしい。


Subject: [barairo510] 近況報告です。
Date: Mon, 17 Jun 2002 23:24:49 +0900

近況報告です。 ご報告がスムーズにいかないこと、ご容赦ください。

★今の私の状況

一万シェケル(約30万円)を払っての保釈中の身です。
(保釈金は、判決が確定したか、または私が強制退去を受け入れるかしたら、全額返 済されます)
法的には、イスラエル政府が決定した強制退去処分に対して、こちらが異議申し立て 訴訟を起こしている、という状態です。従って、異議申し立てを撤回し、強制退去処分に同意すれば、私はいつでもイスラエル国外に出ることができます。

逆に言うと、保釈中の私は、パレスチナ地域に立ち入ることができず、また、常時 (毎日)自分の居場所を弁護士に連絡しなくてはいけません。連絡さえすれば、イスラエル領ならどこにでも行けます。ただし、イスラエル国外に出ることはできません。

イスラエル国外に出るには、訴訟で勝訴するか、異議申し立てを撤回するか、しなく てはいけません。この裁判で敗訴すると、私は直ちに再収容されます。再収容され て からチケットを買って、出国するまで収容所に入れられます。イスラエルから出 国す る際の航空券は、いずれにせよ私が負担することになります。

裁判自体は、前回は、不十分とはいえ日本語通訳も付き、また弁護士も無料でやってくれているので、そんなに負担ではありません。言葉の問題はありますが、それは 別のメールでふれます。

判決予定日は6月25日でしたが、日程変更となり、明日18日に行われます。ただし、これは第一審なので、政府が控訴したら延びます。

イスラエルから強制退去になると、それ以降10年間は入国が認められません。 強制退去の場合には、途中降機ができません。日本直行になります。

★勝敗予測

予測ですが、私はこの件は基本的に政治的な判断で決まると踏んでいますので、予測ができません。法的には、政府・警察側の身柄拘束手続きの余りなずさんさが目に余り、勝ちの可能性は十分あります。
イスラエル国内でも、国外でも、マスコミがかなり注目している事と、例えば日本大使館がしつこく法的根拠をイスラエル政府に問い合わせたりもしていますので、イスラエル政府も露骨で下手な圧力を裁判所に対して かけることは難しそうです。
また、あくまで可能性としては、私が自主的にイスラエルを出国することと引き替えに、強制退去処分を政府が取り消す可能性がないわけではありません。

★ニュ−ス性

私たちの事件は、日本、オーストラリア(ヘッドラインニュースでも流れた)、アイスランド(新聞一面トップに載った)、イギリスなどではそれなりに報道されました。また、訴訟のことはイスラエルの新聞にも載っています。ラジオでも流れました。
つまり、イスラエルでもそれなりの注目を集める政治的な事件にはなっています。(日本で、イラン人同性愛者シェイダさんの国外退去処分に対する異議申し立て裁判がいま東京地裁で行われていますが、日本におけるその裁判の知名度より、イスラエルでの私の裁判の知名度の方が高いみたいです)

★裁判の意義

読んで頂いてわかると思うのですが、精神的な弱気な感じとか、参っている感じはも うほとんどありません。釈放されていると、ほんとに楽です。

明日の裁判、勝てるといいのですが。

日比野より


Subject: [barairo510] イスラエルの侵略に抗議します(ひっぴぃの声明)
Date:  Thu, 20 Jun 2002 10:55:55 +0900

イスラエルの侵略に抗議します(ひっぴぃの声明)

2002年6月20日

ひびのまこと

(但し、近い将来にイスラエルに入国を予定している人は、イスラエルを批判する行 動をとることが入国拒否の口実にされる事がある事に留意しておいて下さい)

(声明等の転載は大歓迎です。ご自由にお使い下さい。)


Subject: [barairo510] 裁判
Date: Thu, 20 Jun 2002 11:11:20 +0900

裁判について、簡単にご報告します。

火曜日に行われた裁判において、裁判長が「私たちが自主的に出国する変わりに、強制退去処分を取り消す」という提案をイスラエル内務省に対して行い、内務大臣がそれを認めた事が述べられました。また、裁判長としては、この方針が最も望ましいと考えているという事が言明されました。
本日弁護士の話では、21日までに出国するのであれば、強制退去処分を取り消す、との内務大臣の意志が示されたとのことです。

私たちとしては、この取り引きの提案を受け入れるか、拒否するかを、本日弁護士と協議の上決定します。私としては、どちらに転ぶかは未定です。いずれにせよ、パレスチナ人にとって最もよい結果をもたらすのはどういう選択であるかを検討し、結論を出す事になります。

ISMがこの裁判において裁判費用を負担しています。余裕のある方は、日比野の口座にカンパを入金していただければ、ISMに手渡す事ができます。日比野の口座は、以下の通りです。以下の銀行口座にご入金いただくと、日比野が現地で現地通貨で引き出すことができます。

・シティバンク京都支店   銀号番号 0401   支店番号 043   種  類 普通預金   口座番号 5339653   名  義 日比野 真(ヒビノ マコト)

 カンパや支援などをしていただける方は、日比野へのカンパなのか、現地のNGO(ISM/GIPP)へのカンパなのか、またそれ以外の使途へのカンパなのかをメール等でお教えいただけるとうれしいです

本日弁護士と協議の後、イスラエルのクイア系(レズビアン・ゲイ・バイセクシュア ル・トランスジェンダー)の団体で占領に反対している人達とあって話をする予定で す。

とりあえず。

ひびのまこと

"BARAIRO510@HOTMAIL.COM" は送信のみのアドレスです。


なお日比野さんのサイトは以下にある。
URL : http://www.egroups.co.jp/group/barairo510/

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2002/6/23