ミニパト以来、どうも例のキャンセラでは画像の端のあたりに乱れが出たりするので、やっぱりビデオセレクタのほうがよいかと考えていたのだが、おりしもパソコンのテレビキャプチャーまで買ってしまった。このキャプチャーカードは画像の変換はわりとよいのだが、付属のチューナはちょっと雑である。パソコンの中にいれるチューナなんかどうせ周囲からのノイズでろくなことになるまいという気持があったものだからまあよいのだが。
そんなわけでチューナとしてはビデオデッキを使用しこれをコンポジット入力でパソコンに送って録画すればよいわけである。この場合、ビデオテープにはいっている映像をCD-Rやハードディスクにおさめるという芸当も可能になるわけだが、いかんせんビデオカメラでホームビデオをつくるという趣味がない。
全体の構成はつぎのようになる。
[ビデオデッキ]━━━━━[ビデオセレクタ]━━━[テレビ] [DVDプレイヤ]━━━━━┛ ┗━━━━[パソコン]
となると、ビデオデッキの出力をテレビとパソコンの両方に送りたいわけである。何も考えずに並列につないだ場合みかけ上のインピーダンスが38Ωほどになりこれはミスマッチとなる。そこで、二倍ほどの利得の増幅器をいれて、この出口に75Ωの抵抗を並列に二本いれてやる。こうすれば、エミッタフォロワの出力は充分にインピーダンスが低いから、ほぼこの直列抵抗で出力インピーダンスがきまり、両方に出力インピーダンス75Ωで出力できる。
入力の側は単純に機械式スィッチだけではインピーダンスが乱れるので、入力端子のそばで75Ωで接地する。アンプの入力は300Ωほどのインピーダンスなのでこの抵抗で回路全体の入力インピーダンスがきまる。
回路はCQ出版の『定本トランジスタ回路の設計』そのままである。手持ちのトランジスタとありあわせの抵抗、コンデンサでお茶を濁しているが充分みられる画質である。入力が高周波特性を考慮してエミッタ入力となっているがあとはエミッタフォロワー二段のシンプルな構成である。
これまでは基本的にアルミのケースを使用していたが、本機では紙ケースを使用してみた。これは神戸プリンと書かれた矩形の箱で、そのとおり神戸プリンが納められていたものである。
紙で問題となるのは強度であるが、いまのところ問題なさそうである。ただし、上に積み重ねることはできない。
もうひとつはシールド効果がないので、ノイズには弱くなるはずである。もし問題があれば、まわりにアルミホイルでも巻いてみようかと考えたが、これまた現状では問題がない。
開け閉めは固定せずに上部に切り込みをいれてある。いまのところスカスカである。なおオーディオに関してはインピーダンスについてそれほど深刻に考える必要がないので、スィッチと単純な並列とですませてある。
2004/1/31