予断と偏見の中のUNIXは、黒のバックグラウンドに白の文字が浮かぶコマンドシェルなのだが、実際の処はなんでもありである。それでも、私自身がマウスの下手なおじさんの一人であることもあいまって、起動から終了までXwindowでというのは邪悪なものを感じる。そりゃ、rxvtとktermでことはたりるだろう、でも、ちょっとしたファイル操作や、mailのやりとりでいちいちXを起動するのも何だか。
とはいえ、OS/2warpでコマンドプロンプトを何枚もひろげて、取換え引換え使うのは、訳もなく幸せだ。その楽しみはXでは更に広がる。rloginした窓、おまけにsuした窓、ftpしている窓、manを開いた窓、mule -nw実行中の窓。意味は全然無いけど幸福。それに何と言ってもGUIだ、マウスでチョンチョンだ、現実問題としてコマンドシェルよりよほど面倒臭かろうと、CUIより偉いのだ。
そんなわけで、私は、SlackにXをインストールする事にした。正確に云うと既に必要なファイル一式入ってあるXを正しく設定して使えるようにするのである。とりあえず/etc/XF86Config (redhatでは/etc/X11/XF86Config)を書き換えれば良い。其ためのxf86configという便利なプログラムまで用意してくれてある。次々出て来る質問にyとかnとか1とかqとか答えて行けば良い。それであらかた出来の良いXF86Configが出来るから、あとはviとかjedとかmuleとか適当なエディターで物の本やREADMEに従って直せば出来上がり。このときは、modlineとかいう数値を少し直しただけであった。(その後Slack340や350、redhat4.2などでは付属のXのバージョンも上がって、それすら必要無かった。)
紆余曲折の末、(Xの起動の仕方を知らなかった。)めでたく、startxにたどり着き、さあ、Xアプリを使うぞと、とりあえずXterm5枚程ひらいて、ScreenSaverを起動してみた。むなしい。