PC-Blues # 026 辞書ひきとEmacsその後

muleは一応MUlti Lingual Emacsの略ということになっているのでタイ語とかアラビア語も表示できる。X上では同時に表示できて、楽しい。表示してみるとおおむねこういう感じなのだがいかんせんわたしの方がマルチリンガルではないので実用価値には乏しいのだった。これには当然ながら多国語のフォントが必要となるがそれは GNU Intlfontsにある。

#010 辞書が好き で紹介した辞書引きソフトのlookupだが、X上では外字も表示できる。そこで外字を表示するとこんなかんじである。英和辞典の発音記号アクセントなどは普通外字であるから、これが表示できないと英和辞典はとても見にくい。ただし、そのためにはbimap-muleをインストールすることが条件である。しかし、bitmap-muleをインストールするにはapelとcompfaceをインストールしておく必要があり、またフォントも必要となる。 結局外字表示への道のりは

の4つをインストールすることになる。インストールはどれも、tar xvzf で圧縮を解くと、ディレクトリィをつくるのでそのディレクトリィにうつる。 apel と bitmap-mule は su して make install でおしまいである。compfaceは./configure;make;su でそののちmake installである。bitmap-fontsはbitmap-muleを解凍(ないしは伸長・展開)してできたbitmap-mule-8.4/fontに移動してから解凍し、そこでsuしてからmake installである。

しかし、これをEmacs/Muleに反映させるには~/.emacsか~/.lookupに
(require 'bitmap) または (setq lookup-use-bitmap t) と記述する必要がある。

ところがPlamo-Linux-2.1のおまかせ設定ではこの作業をするとEmacs/Muleがアルファベットすら表示しなくなってしまった。これは、~/.Xdefaultsの指定するフォントが少々不具合なので変更すればよい。 わたしは次のような変更でしのいだ。
もとの設定
Emacs*font: -misc-fixed-medium-r-normal--14-*
変更後
Emacs*font: -alias-fixed-medium-r-normal--16-*

マルチメディアはあまり得意とはいえないLinuxではあるけれど、PCsuccess創刊号付属の日立デジタル平凡社謹製「マイペディアPCsuccess版」は使用可能である。これはマイペディア百科事典が500円で手に入ってしまうというお徳用である。ただし、画像の拡大ができないなどの制限つきである。一種の体験版ともいえる。しかし、これを、リングサーバのオープンラボにあるFreePWINGを使ってmypaedia-fpwで一般的な電子辞書の形式であるJISX4081に変換してやるとlookupで使用できる。そのさいmypaedia-fpwの中のmypaedia-fpw.elを使えば絵、写真、図、音楽、ビデオも利用できる。この場合、画像はただのJPEGなので拡大縮小は加工とも可能になってしまうので、われわれは著作権者の権利をおかさぬよう慎重にとりあつかう必要がある。

ただし、ビデオを見るにはavi形式のビデオを再生できるソフトが必要でこれはXANIMなどがある。 絵についてはImageMagickが推奨されている。jpegとbmpが表示できればよいので何でもいいようなものだがImageMagickは各種変換が簡単にできるのでインストールしておけばいろいろ便利である。wavについてはwavplayがたぶんあるだろう。midiについてはtimidityが推奨されており、マシンにパワーがあれば音質もよいという。わたしのマシンはPentium133と今となっては比較的非力なマシンであるからplaymidiを使った。実にpoorな音質は昔のアーケードゲームを彷彿させて楽しい。

XANIMはaviとmov(sorensonはだめ)、mpeg1が再生できて便利なのだが最終アップデートが1999年でいまでは少し古いため、コンパイルに失敗した。/usr/X11R6/include/のX.hやXos.hあたりが/usr/X11R6/include/X11/に引越しているためである。悪いことにここらへんのパスがMakefileではなく直接Cのソースに書いてある。そこで、errorメッセージを頼りにerrorの出るソースを順次エディタで開き
#include <Xos.h>を#include <X11/Xos.h>というぐあいに直したが、sedかgrepあたりでもっとスマートにやれそうな気がする。

playmidi-2.3も少し古めなのでsvgalibというのが必要になる。しかし、これはいまどきあんまり流行らないライブラリになっている。また、make一発でmake config,make depend,make allと全部やってくれるようにできているのだが、如何せんいまどきはカレントディレクトリィにパスが通っていないのが普通なので見事に失敗する。

そこで、まず ./Configure としてコンフィギュレーションを行い、次にMakefileをエディタで開いて、all: と install: 行を
<元の指定>
all: playmidi splaymidi xplaymidi
<変更後>
all: playmidi xplaymidi

<元の指定>


install: $(INSTALLDIR)/playmidi $(INSTALLDIR)/splaymidi \
        $(INSTALLDIR)/xplaymidi /etc/std.o3 /etc/drums.o3 \
        /etc/std.sb /etc/drums.sb $(XAPPDEFAULTS)/XPlaymidi

<変更後>


install: $(INSTALLDIR)/playmidi \
         $(INSTALLDIR)/xplaymidi /etc/std.o3 /etc/drums.o3 \
         /etc/std.sb /etc/drums.sb $(XAPPDEFAULTS)/XPlaymidi

と、splaymidiを消してやる。あとはmakeしてsuした後make installでOKである。

ところがPlamo-2.2.5とEmacs21の組み合わせで利用するとどういうわけか129行目の ndeb-max-image-size のところでerrorになってしまう。よくわからないが、これを消したらなんだか使用できてしまった。わたしにはEmacsLispは全然わからないのでどういうことかよく理解できないがなんだか使用できている。ま、いっか。例えば土偶を検索するとこんなかんじである。

ところで、Emacsはエディタのくせになぜか計算などできてしまう。*scratch* で(+ 1 ( * 2 3)) と書いてCtrl+jを打つとよいそうな。やっぱしすこしは勉強したほうがいいんだろな、Lisp。そういえば、PostScriptも計算にも使えるということだけれど。あまりそういう使いかたをするもんでもない。


註1
129行めにある
(insert-file-contents-literally tmp-img-file nil ndeb-max-image-size)

(insert-file-contents-literally tmp-img-file nil nil)
と直すという泥縄でなんだか動いてしまったのだけれども、その代わり、長い外字はあたまのほうが消えてしまった。 さすがにまずいので、lookupをring serverのlookup-1.3のほうではなく、電子辞書のほうにあるlookup-1.4にアップグレードしたところ元のままで表示できた。こちらのほうは外字も正しく表示できているのでじつに結構である。

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2002/6/14