第三節「ひとごみに流されて、かわっていく私をあなたはときどき遠くで叱って。」である。
さきほどの読みの正しさが証明されたような気がする。駅前商店街であればこそ、ここでユーミンは人混みに流されざるを得なかったのである。ヒッピー姿のまま敷物を広げたあの人を見たユーミンはハッとしたに相違ない。タイム・スリップしたかのような気さえしたろう。しかし、無情な人混みはユーミンとあのひとを引き裂いていったのである。だからといって人混みをかきわけてもどったりはしないユーミンなのである。それがゆえに「遠くで叱って」ということになる。
近づいてもらっちゃ困るのである。なぜなら「あなたはわたしの青春そのもの」なのであるから、それは通り過ぎたものであって、遠くから懐かしむ分には、まあ神様みたいなものであるから、「ああ、ええわいな。」でよいが、現実の存在として対峙されては迷惑なのである。なにせ現実を生きるユーミンは日々変化していくのであるから。よって、「懐しいあなた、3m以内じゃ素知らぬフリよ」とこうなるわけだ。
行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。というやつか。ちょっと古風なユーミンであった。
註0)お願いだからマにうけてマジメに反論とか送ってこないでね。
5/31追記
2002/5/28 ,5/31